この記事のポイント
この記事は画像生成AIのMidjourneyの使い方を紹介しています。
Discordに登録し、Midjourneyと連携する手順を詳細に説明しています。
Midjourneyを用いた画像生成の基本的な流れと精度を高めるポイントについて解説しています。
有料プランの選択肢や商用利用についても触れられています。
Midjourney専用のサーバーを構築する方法も案内されており、効率的な画像生成が可能になっています。
![](https://aisouken.blob.core.windows.net/background/FacePhoto/FacePhoto-1.webp)
監修者プロフィール
坂本 将磨
Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。
ミッドジャーニーは、AIを活用した画期的な画像生成AIツールです。テキストを入力するだけで、想像した通りの画像を自動生成できます。
人物やキャラクター、風景、アートなど、あらゆるジャンルの画像を誰でも簡単に作成することができ、プロンプトの記述を工夫すれば、構図、色使い、質感までもこだわって生成可能です。
この記事では、Discord経由で利用するミッドジャーニーの基本から応用まで、実際の操作画面を交えてご紹介します。また、自分専用のサーバーの設立方法までを明らかにし、Midjourneyを駆使して行う画像生成が楽しくなるコンテンツを提供していきます。
本記事を参考にしながら、あなたもMidjourneyを使ったクリエイティブな作品作りにチャレンジしてみてください。
目次
Midjourney(ミッドジャーニー)とは
Midjourneyは数ある画像生成AIの内の一つですが、誰でも芸術的な画像を作ることができるサービスとして注目を浴びています。
画像生成AIの爆発的普及を牽引したのも、この「Midjourney」です。そのようにしてAIで作られた画像は、さまざまな分野で活用されていこうとしています。
例えば、2022年には、イギリスの雑誌「エコノミスト」の表紙制作にMidjourneyが使われています。
引用:How a computer designed this week’s cover | The Economist
また、2022年のコロラド・ステート・フェアで開催されたデジタルアートコンペティションでは、Midjourneyが作成した画像「Théâtre d'Opéra Spatial」が1位を獲得しました。
引用:Une IA secoue le monde de l'art ... en remportant un concours | Arts in the City
いずれも海外の事例ですが、今後日本でもさまざまな分野で活用方法が実験されていくのではないでしょうか。
【関連記事】
➡️Midjourneyとは?初心者もプロも魅了する画像生成AIを解説
Midjourney(ミッドジャーニー)の始め方
Midjourneyを使い始めるためには準備が必要です。
以下に示す2つのプロセスを順番に進めていきましょう。
1.Discordへの登録
2.Midjourneyとの連携
1. Discordへの登録
Discordは、主にゲームをする人たちの間で話題になり、最近では趣味の集まりやビジネスの人たちにも活用されているチャットツールになります。
以下のリンクをクリックしてください。Discordのトップページが表示されます。
➡️Discord
ページの真ん中に2つの選択肢がありますが、今回はブラウザで開きます。
ブラウザで開いた場合、ユーザーネームや生年月日など諸々の設定を行えば、仮アカウントとしてDiscordを利用できるようになります。
Midjourneyを使う為には、Discordの認証済みアカウントが必要です。
以下を参考にして、まずはDiscordのアカウントを作成してください。
1. Discord公式サイトにアクセス
2.「ログイン」をクリック
3.ログインボタンの下にある「登録」をクリック
4.メールアドレス&ユーザー名&希望のパスワードを入れてアカウントを作る
5.電話番号を入力してアカウントを認証済みにする
6.アカウントの作成後、ログインする
認証済みアカウントが作れたら、次はMidjouney側でも操作を行います。
2.DiscordとMidjourneyの連携方法
Midjourenyにアクセスし、以下案内に従って、手続きを進めていきましょう。
-
「Sign in」を選択
-
認証済みDiscordアカウントでサインイン
-
「Community」を選択
-
「Get your Membership Midjourney」を選択
-
料金プランを選択し、クレジットカード情報を入力
準備は以上になります。ここまでの操作で、Discord上でMidjourneyが使えるようになりました!
Midjourney(ミッドジャーニー)の使い方
まずはMidjourneyのチャット画面を開きましょう。
Discordを初めて触る方向けに、画面構成について簡単に説明します。
サーバーとは、一つの教室のようなものです。各サーバーの中にはチャットルームが複数あることが普通です。
教室の中で、グループがいくつもできているようなイメージです。チャットルームにいるメンバー同士でチャットが可能です。
Midjourneyのを最初に開くと「getting started」というチャットルームに案内されます。
ここではMidjourneyの概要や設定が説明されているため、チャットを送ることはできません。
画面構成の説明は以上になります。
さっそくMidjourneyを用いていきましょう。
画像を生成するまでには、大きく区分して、以下の3つの手順があります。
1.チャットルームに参加する
2.有料プランに登録する
3.プロンプトを入力する / 画像編集
1.チャットルームに参加する
MidjourneyではDiscordのチャット上でbotと会話をするような形で画像を生成していきます。
そのため、最初にチャットルームに入る必要があります。
画面の左側の「NEWCOMER ROOMS」という項目の中にある「newbies-○○」がチャットルームです。
いずれかのチャットルームを選択してください。
2.有料プランに登録する。
有料プランの手続きは、チャットルーム上でも行えます。
以下の手順に沿って、操作を進めてください。
1.画面下部のチャット欄に「/subscribe」と入力
2.「Manage Account」をクリック
3.プラン選択画面から登録したいプランを選択し、支払い情報を入力して完了
3.プロンプトを入力する / 画像編集
チャットルームに参加し、有料プランになったので、ここからは実際に手を動かしていきます。
前提として、Midjourneyは、対話型AIと呼ばれるものの一種です。そのため、文章や言葉をAIに渡し、それに応じて画像を出力してくれるといったラリー風に進んでいきます。
そこで渡す文章や言葉のことを、一般的に、プロンプトと呼ぶことになっています。
プロンプトとは、イラストについての説明文のことです。
例えば、 「歩きタバコをしている男性が、警察官に注意されている」 ようなイラストが欲しいとします。
ここでは、「歩きタバコをしている男性が、警察官に注意されている」という一連の説明文が、プロンプトに該当します。
そして、テキスト入力欄に「/image prompt」と入力します。すると、「prompt」の部分に枠が付与され、「prompt ~...」という形で文章が打ち込めるようになります。
この部分に、先ほどのテキストを入れてみたいと思います。
この時に注意が必要で、先ほどの説明文を英語にする必要があります。日本語でプロンプト入力はできますが、生成される画像のクオリティが低いことが理由です。
そのため、日本語を「DeepL」や「chatGPT」などの無料で使えるツールで翻訳し、英語プロンプトに変換する作業が必要となります。
今回の場合は、 「A man walking and smoking, and a policeman warning him.」 となります。
メッセージを送信後、少し待つと画像が4枚出力されます。
Midjourneyでは、このようにして出力された画像をベースに、さらに精度をあげるための機能がついています。
それが、4つの画像の下にある「U1」や「V1」などのボタンです。
4枚の画像には番号が割り当てられており、左上が「1」、右上が「2」、左下が「3」、右下が「4」です。
「U」ボタンと「V」ボタンが4つずつ並んでいますが、Uは「Upscale(アップスケール)」の略で、選択した画像を高解像度で表示できます。Vは「Variation(バリエーション)」の略で、選択した画像に類似する画像を、さらに4枚表示することができます。
また、Uの行の右端に青の矢印マークがありますが、こちらを使えば、4枚まるごと変更して、新しい画像を出力させることができます。
この4枚の中だと、右下「4」が一番イメージに近いです。バリュエーションが欲しいため、「V4」を選択してみます。
すると、以下のような画像が出力されました。
さっき選んだ画像よりも、遠のいてしまっています。歩きタバコをしている人が見当たりません。
この場合は、プロンプトで入力した説明文を詳細にしてみるか、もう一度4枚を変えてみるか、などをする必要があると思います。
この事例に限らず、画像の精度をあげていくためには、Midjourneyがどういう手順で画像を表示しているかといった仕組みや、応用テクニックを覚えていく必要があります。
Midjourney(ミッドジャーニー)のプロンプトのコツ
そもそもMidjourneyは、インターネット上の大量の画像データを学習しています。
画像の生成は、プロンプトを元に、そのデータベースから行われます。人間でいうところの記憶のようなものです。
この時、プロンプトが与える情報の方向性(ベクトル)に対して、最も一致度が高いのはどのような画像かという観点で出力されるようになっています。
例えば、パソコンの画像が欲しいとします。
試しに、 「I use computer」 という 「情報の方向性」 を入力すれば、以下のように出力されます。
4つの画像から読み取れる情報は全く違う結果になってしまいました。
これは、プロンプトが与える情報の方向性が、抽象的であることからきています。
例えば、「Computer」という時には、重厚感のある昔のパソコンや、最近の薄型のパソコン、映画やアニメで登場するSF色のあるパソコンなど、複数の可能性が同時に含まれています。先ほどから、情報の方向性という言葉を使っているのは、こういった理由からです。
コンピューターにとっては、一つの言葉が、人間の思い描く一つのイメージや物体に対応することはありません。 (このことを記号設置問題と言ったりします。)
AIによって、言葉や文章が与えてくれるのは、一定の情報の方向性です。つまり、AIにとって、「Computer」という情報は、色んなバリュエーションがありすぎて曖昧になっているのです。
そのため、この情報の方向性を制御する必要があります。
次に 「thin computer」 と入力します。
先ほどはゴツゴツしたパソコンばかりがでてきたため、ノートブックパソコンのようなものを表示させたいからです。
さっきより、パソコンのイメージに近づきました。どれもこれもかわいいですが、薄くはないし、今ひとつ現実味がありません。
このように、単に一つのPCを出すことにも、情報の方向性を明確に定義する必要があります。
しかし、ここで発想を転換してみましょう。
「イーコマースサイト用の、画質の良い、シンプルな白地の背景にある、単独の薄型ノートブックパソコン」 と入力すれば、思ったような画像が生成されます。
ここでは、プロンプトの内、何が有効に機能したのでしょうか?
それは「イーコマースサイト用」という文言です。「イーコマースサイト」は、商品を目立たせるために、大半の商品を中心に設置しています。
また、商品の洗練された表情を見せるために、構図や背景が一定のデザインリテラシーの元で構成されています。
つまり、「イーコマースサイト用」という情報の方向性は、再現性が高いのです。
ここでの再現性は、「どのイーコマースサイト用」をみても、商品の画像の見た目は似ているという意味です。
いかがでしたでしょうか。このように、画像の出力方法の仕組みを何となくでも理解しておけば、望んだ画像を入手しやすくなります。
Midjourneyを使いこなすための環境をより整える
Midjourneyの使い方解説についてはここまでとなります。
これ以降は、より快適に画像生成AIを使用していくためのヒントを紹介していきます。
自分専用のサーバーを立てる
「自分専用サーバー」というと何やら難しそうな雰囲気が漂う気配がありますが、ご安心ください。作業は5分程度で終わります。
今までプロンプトを入力してきたチャットルームには、自分以外にも複数人のユーザーがいます。そこでは、複数のユーザーが、一つしかない場所を取り合うような構図になっていました。
そのため、自分が生成した画像がタイムライン上で流されてしまったり、他の人の生成した画像と並んでいたり、自分の生成した画像が、別の人に編集されてしまったりなど、使いづらかったと思います。
自分専用サーバーを作成すれば、そういった問題は全て解決します。自分専用の場所を設けることはもちろん、場所を複数作ることで、整理整頓することもできます。
快適に画像生成の試行錯誤を行いたい人にとって、自分専用のサーバーを立てることは必須だと言えます。
1-1.サーバーの立て方
- Discordの一番左にあるサーバー一覧から、プラスマークを選択します。
- 「オリジナルの作成」を選択します。
「テンプレートから始める」で進むと、デフォルトでいくつかのチャンネルが用意されます。
今回は1から自分専用のサーバーを立てることが目的なので、「オリジナルの作成」で進みましょう。
3.「 自分と友達のため」を選択
- サーバーが立ち上がりました。
0からサーバーを立ち上げたので、未だ「白紙状態」です。ここから、自分が必要と考える機能を足したり減らしたりしていきます。
ただ、何が必要で何が不必要かの線引きは、作業を通して各々発見していくものです。そのため、ここではそういった必要不必要に関わらない「ベースとなる機能」を用意していきます。
1-2.サーバーに基本的な機能を取り付ける
まず、Midjourneyをサーバーに招待しましょう。
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画面左の一番上のDiscordマークを選択します。
このマークを選択すると、サーバーのDM(ダイレクトメッセージ)に飛びます。
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DM上で、ユーザーの名前部分を選択すると、そのユーザーのプロフィールを見れたり、DMを送ることができます。
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今回は、Midjourneyをサーバーに招待したいのでMidjourneyの名前部分を選択し、「アプリを追加」を選択します。
「認証」を選択すれば、招待は完了です。
メッセージ入力欄で「/imagine」と入力して、プロンプトへの誘導が表示されていれば、Midjourneyがサーバーに追加されている証拠です。
1-3.カテゴリーの作成について
ここまでの手順で、自分のサーバー上でMidjourneyを使えるようになりました。
次にカテゴリーについて説明します。今まで触ってきたサーバーでもカテゴリーはありました。
例えば、Midjourneyのサーバーでは以下のように6つのカテゴリーがあらかじめ用意されています。
これらのカテゴリーは、Midjourneyサーバーを使用する世界中の人間が、円滑に画像生成を行えるよう、最適化されています。
自分専用サーバーではカテゴリーは未だありません。自分の実践に最適化していきましょう。
ここでは、簡易的に「画像生成カテゴリー」と「情報収集カテゴリー」の2つのカテゴリーを作ってみたいと思います。
この2つを用意すると、画像生成をする場所と、アイデアや情報を保管する場所を分けることになり、「情報収集をしながら画像生成を行う」といった流れがスムーズになります。
1-4.カテゴリーの作り方
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画面左上の「〇〇のサーバー」を選択すると、サーバー設定に関する選択画面が出てきます。
ここで、「カテゴリーを作成」を選択します。
-
カテゴリー名を、「画像生成」とします。
これでカテゴリーを作成できました。カテゴリー名の横にある「+」マークを選択すれば、そのカテゴリー内に、チャットルームを作成することができます。
試しに、いくつかチャットルームを作ってみましょう。
ここでは、「猫」の画像を生成する場所や、「映画風」の画像を生成する場所など作ってみました。
このように、生成するモチーフのジャンル別でチャットルームを作るのもいいですし、実験したい仮説などで作るのもおすすめです。
最終的に、画像生成に加えて、情報蓄積やアイデア蓄積のカテゴリーも作ってみました。
これらは一例ですので、さっそく、あなた専用のサーバーにカスタマイズしていきましょう!
ストレスフリーで自分の使いやすい環境を構築することは、楽しい画像生成ライフの近道です。
Midjourney(ミッドジャーニー)の料金体系
2024年3月現在、Midjourneyでは4つの有料プランが用意されています。一番安価なプランはベーシックプランとなっており、月に$8から利用できます。
しかし、ベーシックの場合は生成できる枚数に制限があります。
多数の画像を生成する予定がある人や、速度が気になる人は、さらに上位のプランを選択することをお勧めします。
また、Pro以上のプランでは、生成に使用されたプロンプトを隠すことができるステルスモードが利用できる点が大きなメリットです。
【関連記事】
➡️Midjourney(ミッドジャーニー)の料金体系を解説!各プランの特徴も紹介
Midjourneyの商用利用について
Midjourneyの有料プランで生成した画像に関しては、基本的には商用利用が認められています。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
➡️Midjourney(ミッドジャーニー)の商用利用で注意すべきポイントを解説
まとめ
この記事では、画像生成AI「Midjourney」の使い方を基本から応用まで幅広く解説しました。Discordへの登録からMidjourneyとの連携方法、画像生成のプロセス、精度を向上させるコツに至るまで、詳細なガイドを提供しました。また、有料プランの選択肢や画像の商用利用に関する情報、さらにはMidjourney専用のサーバーを設立する方法も紹介し、効率的かつクリエイティブな画像生成を実現するための知識を提供しました。
本記事を通じて、Midjourneyを使った画像生成の楽しさと可能性を理解し、読者が自らクリエイティブな作品作りに挑戦するきっかけになれば幸いです。
Midjourneyを活用することで、あなたのアイデアを形にし、新たな表現の幅を広げることができるようになります。今回学んだ知識を基に、Midjourneyの世界を存分に探求してみてください