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ChatGPTの企業での活用事例12選!導入メリット・注意点も解説

この記事のポイント

  • この記事では、企業がChatGPTを活用することのメリットと、実際の導入事例を詳しく解説しています。
  • ChatGPTを用いたサービスは、業務の自動化や効率化によりコスト削減を実現し、顧客満足度を向上させる潜在力を持ちます。
  • 以下は、記事の内容を要点としてまとめたものです。
  • - ChatGPTは企業での業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上に貢献しており、多様な業界での導入が進んでいます。
  • - ChatGPTの導入はセキュリティリスクや誤情報への対策も必要であり、これらの管理を徹底することが重要です。

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

近年のAI技術の進展に伴い、チャットボットや自然言語処理の分野で注目されるのが「ChatGPT」です。
この記事では、企業がChatGPTをどのように活用しているのか、その具体的な事例を紹介します。ChatGPTの導入は、顧客対応の自動化から社内コミュニケーションの効率化、さらにはデータ分析の自動化と、幅広い業務プロセスに革新をもたらします。

企業におけるChatGPTの活用事例を通じて、導入のメリットと、考慮すべきリスクやガイドラインについても触れながら、AI導入を検討している企業に向けて有益な情報を提供します。
また、教育から金融、製造業、IT業界まで、業界ごとの導入事例を取り上げながら、ChatGPTのポテンシャルに触れていきます。

ChatGPTを企業で活用するとは

ChatGPTをみなさん利用しことはあるでしょうか?

ChatGPTとは、OpenAIによって開発された最先端のチャットベースの自然言語処理AIです。
このサービスは、ユーザーの質問に対して自然な文で回答できるだけでなく、文章の生成や要約といった複雑な言語タスクをこなす能力を持っています。
【関連記事】
ChatGPT(チャットGPT)とは?無料での始め方や料金、使い方のコツを解説!

昨今、このサービスをビジネスに活用する動きは非常に大きくなっています。
この技術をビジネスに応用することで、顧客対応からコンテンツの生成、データ分析の自動化に至るまで、企業の多様な業務プロセスの効率化がされています。

効率化 イメージ
効率化 イメージ

この記事では、ChatGPTの企業での活用がなぜ注目されているのか、その背景と具体的な導入事例を深掘りしていきます。

AIはこれからビジネスする上で必須の技術となります。
ぜひしっかりと活用するためのヒントとなれば幸いです。

AI総合研究所では企業のAI導入を支援しております。
AI導入を検討中の担当者様はお気軽にご相談ください。

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ChatGPTの業務への導入メリット

ChatGPTを活用することで企業は数多くのメリットを享受することができます。
ここでは、具体的な導入メリットを3つのキーポイントに分けて詳細に説明します。

1. 業務の効率化

ChatGPTを導入する最大のメリットの一つは業務の効率化です。顧客サービス、メールの返信、コンテンツ制作など、時間を要する繰り返し作業をAIが担うことで、従業員はより創造的で価値の高い作業に専念できるようになります。

また、ChatGPTは24時間365日稼働するため、全ての時間帯で一貫したサービスを提供することができます。

2. コストの削減

ChatGPTを導入することによって、人件費やトレーニングコストなどの削減が可能です。AIは一度設定すれば、追加コストなく一定の作業を継続できるため、人材を必要とする業務を大幅に削減することができ、それにより経費の削減にもつながります。

3. 顧客満足度向上

ャットボットとしての利用をはじめ、ChatGPTのリアルタイムで応答する能力により、顧客サポートの質が大幅に向上します。顧客の問い合わせに対して迅速かつ適切な応答を行い、顧客満足度の向上に貢献できます。

また、ChatGPTおよび生成AIを活用し、AIが自ら意思を持ってさらに上記のメリットを大きく享受し、ビジネスを推進していく技術も注目されています。

その技術であるAIエージェントに興味がある方は以下の記事を参考にしてください。
AIエージェント(AI agent)とは?その仕組みや作り方、事例を徹底解説


【業界別】ChatGPT導入事例12選

ChatGPTの応用範囲は極めて広く、各業界でその導入事例は異なります。以下では、具体的な事例をもとに、ChatGPTの業界ごとの活用方法をみていきましょう。

【関連ページ】
➡️各業界の320以上の導入事例まとめ
➡️ChatGPTの活用事例50選はこちら

【関連資料】
➡️生成AI活用事例集、画像・動画生成AI活用事例集はこちら

製造業界

フォルクスワーゲンの車内
フォルクスワーゲンの車内

  • フォルクスワーゲン
    フォルクスワーゲンは、2024年第2四半期からChatGPTを標準装備した量産車の生産を開始予定です。この取り組みにより、フォルクスワーゲンはAI音声アシスタントを全車両に統合する最初の量産メーカーとなるでしょう。

  • パナソニックホールディングス
    全社員約9万人にAIアシスタントサービス「PX-GPT」を展開し、業務プロセスの進化や新たなビジネスアイデアの創出を促進しています。

  • 日立製作所

生成AIの専門組織「ジェネレーティブAIセンター」を設立し、ChatGPTの技術を活用した研究開発を進めています。

食品業界

広告への活用
広告への活用

  • 株式会社伊藤園
    『お~いお茶 カテキン緑茶』のリニューアル発売に際し、日本初の試みとしてTV-CMにAIタレントの提供を行いました。広告展開におけるブランディングやプロモーション最適化を目的としています。
    テレビCMや各種広告媒体での活用が考えられ、購買意思決定やブランドイメージの強化に寄与する様々な可能性を秘めています。

  • 日清食品ホールディングス
    独自開発の対話型AI「NISSIN-GPT」を社員約3,600人に公開し、業務効率化と情報漏洩防止を図っています。

  • サントリー食品インターナショナル
    ChatGPTを活用したWebCMを制作し、斬新なアイデアの実現に取り組んでいます。

金融業界

横浜銀行と東日本銀行による自動生成AI「行内ChatGPT」
横浜銀行と東日本銀行による自動生成AI「行内ChatGPT」

  • 横浜銀行と東日本銀行
    横浜銀行と東日本銀行は、Microsoft Azure環境を基盤とした自動生成AI「行内ChatGPT」を導入し、生産性向上を実現しました。
    このシステムは、文書作成やデータ整理といった業務を効率化することで、従業員がより付加価値の高い業務に集中できるよう支援しています。

また、セキュリティを最優先に考え、内部クラウド環境での運用を採用。Microsoft Azureの高度なセキュリティ機能 を活用することで、安全かつ信頼性の高い運用体制を構築しています。

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ
    社内の書類作成や照会対応にChatGPTを導入し、業務効率化を推進しています。

  • みずほ銀行
    全社員約3万5,000人を対象に対話型AIを導入し、資料作成やプログラミング支援に活用しています。

小売業界

  • 江戸川物産
    新商品の案内文やメール作成にChatGPTを活用し、メールマガジンの作成時間を50%削減する効果を上げています。

教育業界

校歌の作成

  • 三重県桑名市
    iU 情報経営イノベーション専門職大学は、理化学研究所 革新知能統合研究センター(理研AIP)との共同研究「超校歌~AIがつくるみんなの校歌~」を開始しました。

  • ベネッセホールディングス
    ChatGPTを活用した教育コンテンツの開発や業務効率化に取り組んでいます。

これらの事例は、ChatGPTが多様な業界で業務効率化やサービス向上に貢献していることを示しています。各企業は、自社のニーズに合わせてChatGPTを活用し、競争力の強化や新たな価値創出を目指しています。

ChatGPT導入の際の注意点

ChatGPTは多くの業務効率化やサービス改善を実現できますが、その一方でセキュリティや誤情報、プライバシーに関するリスクに十分注意する必要があります。

以下に主なリスクと対策を解説します。
セキュリティ イメージ
セキュリティ イメージ

1. 情報漏洩の防止

ChatGPTが企業機密や個人情報を扱う際、以下の対策を講じることが重要です。

  • 情報範囲の限定: AIに入力する情報を最小限に抑え、不要なデータを扱わないルールを設定します。
  • データの暗号化: データ送受信の暗号化を徹底し、不正アクセスを防ぎます。
  • アクセス権限の管理: 社内でのアクセス制御を厳格化し、関係者以外がAI出力に触れないようにします。

2. 誤情報の管理

AIが生成する情報の正確性を確保するために、以下を実施します。

  • 出力のレビュー体制: ChatGPTが生成した内容を外部公開する前に、必ず専門家や担当者がレビューを行います。
  • フィルタリングと監視: 不適切な出力を防ぐため、プロンプト設計とAIの使用ルールを明確化します。
  • 補助ツールの活用: AIの回答を精査するために、専門的なリソースやツールを併用します。

3. プライバシーと著作権の遵守

顧客や第三者の権利を保護するため、以下を徹底します。

  • プライバシーポリシーの順守
    顧客データの取り扱いに際しては、GDPRや日本の個人情報保護法など、関連する規制に基づいた運用を行います。

  • 著作権の確認
    AIが生成するコンテンツが第三者の著作物を侵害しないよう、コンテンツ生成後の確認を行います。

これらの対策を適切に講じることで、ChatGPTの導入によるリスクを最小限に抑え、安全かつ効果的に業務活用を進めることができます。

参考記事➡ChatGPTのセキュリティリスクとは?実際の事例を踏まえて対策を解説


ChatGPT導入には社内ガイドラインの策定も重要

ChatGPT導入にあたって、リスク管理や活用の方向性を明確にするために社内ガイドラインを策定することは非常に効果的です。以下に、ガイドライン作成の主なポイントを示します。

ガイドラインの構成例

カテゴリ 具体的なルール 目的
使用範囲の明確化 - ChatGPTを使用する業務範囲(例: 顧客対応、文書作成)を定義
- 使用禁止領域(例: 機密情報の処理)を明記
AIの適用範囲を限定し、誤用や情報漏洩のリスクを低減
データ入力ルール - 機密情報や個人情報は入力禁止
- 入力する情報を最小限に抑える
セキュリティを確保し、データ漏洩や不適切な利用を防止
出力のレビュー体制 - 生成された出力を公開前に確認するプロセスを設定
- 特定の責任者を割り当てる
誤情報や不適切なコンテンツの公開を防ぎ、品質を保証
技術的対策 - 社内専用環境(オンプレミスサーバーや限定ネットワーク)で運用
- 定期的なシステム監査を実施
情報漏洩リスクを最小限に抑え、安全性を高める
法令と倫理の順守 - プライバシー保護、著作権法、GDPRに準拠した運用
- 偏見や差別的な出力を防ぐ体制を整備
法令に準拠し、企業倫理を遵守して信頼性を確保
トレーニングと教育 - 社員向けにChatGPT利用の研修を実施
- 問題発生時の対応フローを共有
社員の理解を深め、トラブル時に迅速な対応が可能になるように準備



表を活用した明確なガイドラインを策定することで、ChatGPT導入時のリスクを最小限に抑え、安全かつ効果的な活用を実現できます。ガイドライン作成に興味のある方は以下の記事もご参照ください。

関連記事
➡️生成AIガイドラインまとめ・作成指針を徹底解説


まとめ

ChatGPTの企業導入には、最初はセキュリティの不安や、職員からのワークフローへの変化の抵抗感など様々な障壁が発生します。一方でChatGPTを企業で活用することによる生産性の向上、業務効率化の恩恵は計り知れないものがあります。

ぜひ本記事が適切にChatGPTを業務に取り入れるための一助になれば幸いです。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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