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Azure Vmware Solution(AVS)とは何かをわかりやすく解説!

この記事のポイント

  • Azure VMware Solution(AVS)の概要と特徴を説明
  • AVSを使ったVMware環境のAzure移行のメリットを紹介
  • 既存のVMwareスキルとツールがそのまま活用可能
  • Azureのサービスを利用したシステム可用性とセキュリティの強化
  • AVSの主要コンポーネントと活用シーンを具体的に解説

監修者プロフィール

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

オンプレミスのVMware環境をAzureに移行するには、Azure VMware Solution(AVS)が最適です。
AVSを使うことで、既存のスキルやツールを活かしながら、クラウドの恩恵を最大限に享受できます。

本記事では、AVSのメリットや特徴、コンポーネント、活用事例を詳しく解説。クラウド移行の計画に役立つ情報が満載です。

Azure VMware Solution(AVS)とは

Azure VMware Solution(AVS)は、VMwareの環境をAzureに統合するMicrosoftのサービスです。
オンプレミスのVMware環境からのクラウド移行を行う際に、Azure VMware Solutionによってスピーディーかつシンプルにクラウド移行が行われます。

物理的またはオンプレミスのデータセンターからクラウドへの移行を計画している企業は、AVSを利用して、既存のVMware環境をそのままAzureに移行できます。

Azure VMware Solution
Azure VMware Solution

そもそもVMwareとは何か

VMwareは仮想化技術とクラウドインフラストラクチャを提供する会社、またはその会社によって提供される仮想化製品群のことを指します。

VMwareによって物理的なハードウェアの上に仮想マシン(VM)を構築し、複数のオペレーティングシステムやアプリケーションを単一の物理マシン上で実行できるようになります。

VMWareのサービスによって、データセンターの運用を簡素化や、コストの削減、システムの可用性の向上が実現されます。

VMWare
VMWare


Azure VMware Solutionを利用するメリット

Azure VMware Solutionは、迅速なクラウド移行、安全な仮想環境、そしてコスト効率の良いスケーリングといった利点があります。

既存のVMwareスキルとツールの活用

VMware環境をそのままAzureに持ち込むことができ、既存のスキルセットやツールを活用し続けることが可能です。
これは、企業が既存の機能を維持しつつ、新しいクラウド機能を採用することができるという点で非常に重要です。

環境以降に伴う複雑な処理をすることなく、おなじみのVMware環境をクラウドで利用し続けることができます。

Azureの豊富なサービスとグローバルインフラの活用

AVSを使えば、Azureが持つ幅広いサービス群や世界中に広がるデータベースサービスに容易にアクセスできます。
これによって、企業はVMwareの仮想環境上でAI、データ分析、IoTなどの先進的なAzureサービスを利用することが出来ます。

また、グローバルなインフラにより、世界中の顧客に向けたサービスを提供する際の応答性と効率性を向上させることができます。

コスト最適化とスケーラビリティ

オンデマンドリソースの提供により、余分なコストを削減しながら、その時の需要に基づいてインフラをスケーリングできます。
AVSは必要なコンピューティングリソースをリアルタイムでアップスケールまたはダウンスケールすることが可能で、リソースの無駄遣いを防ぎます。

結果として、企業は運用コストを最適化し総コストを削減することができます。


AVMを支えるコンポーネント

AVMを構成する具体的なコンポーネントについて説明します。
AVMの主なコンポーネントとしては、以下の5つです。

  • VMware vSphere
  • VMware vSAN
  • VMware NSX-T
  • VMware HCX Advanced
  • VMware vCenter Server


本記事では、特に重要な「VMware vSphere」および「VMware vSAN」について解説します。

VMware vSphere

VMware vSphereは、VMwareによって提供されるクラウドコンピューティングの仮想化プラットフォームです。

データセンター全体のリソースを仮想化し、管理と運用の効率を向上させるために設計されており、特に仮想マシン(VM)の管理と実行に焦点を当てています。

【主要な機能】

  • ESXi
    物理サーバー上に直接インストールされ、そのサーバーのリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーキング)を仮想マシンに割り当てる役割を果たす

  • vCenter Server
    vSphere環境の管理や監視、パフォーマンスの最適化、リソース割り当て、仮想インフラストラクチャのスケーリングを担当するサーバー

VMware vSAN(Virtual SAN)

VMware vSAN(Virtual SAN)は、VMware vSphere 環境に統合されたソフトウェア定義ストレージ(SDS)ソリューションです。

vSAN はサーバー内に搭載されている直接接続されたディスク(HDDやSSDなど)をプール化し、高性能な共有ストレージリソースとして提供します。

これにより、ハードウェアコストを削減し、管理を簡素化すると共に、スケーラビリティと柔軟性を向上させます。


Azure VMware Solutionの活用シーン

既存のVMWare環境のクラウド化や、環境のセキュリティ面の強化など、様々な用途にAVSを活用できます。ここではその活用ケースの例と詳細を説明します。

既存VMware環境のクラウド化

最も基本的な利用方法であるオンプレミスのVMware環境のAzureに移行により、クラウドの柔軟性とスケーラビリティの恩恵を享受できます。

AVSを利用することで企業は、既存のアプリケーションやシステムを簡単にクラウドに移行でき、その過程で時間やコストを節約することが可能です。

セキュリティ面の強化

企業のVMWareのセキュリティ面の強化を行いたい場合も、AVSが有効です。
AVSを利用することで、Azureの高度なセキュリティ機能を活用できます。Azureは、多層防御、暗号化、アクセス制御など、包括的なセキュリティ対策を提供しています。

また、AVSはコンプライアンス認証(HIPAA、ISO、SOCなど)に対応しているため、規制の厳しい業界でも安心して利用できます。

【関連記事】
➡️Azureのセキュリティ対策を徹底解説!主要機能や製品、導入事例も

その他の利用方式

AVSは個々のニーズに応じてカスタマイズできるため、その利用方法は多岐にわたります。開発テスト環境の展開仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)アプリケーションの機能追加などさらなるの利用事例が存在します。

また、Azureの先進的な分析ツールによりデータ駆動型の決定を行うことも可能です。


AVSを活用したクラウド移行の進め方

AVSを活用したクラウド移行を進める際は、以下の点に留意しましょう。

  1. 現状のVMware環境を評価し、移行対象のワークロードを特定する

  2. AVSの機能とAzureのサービスを理解し、移行計画を立案する

  3. AVSの導入と設定を行い、移行対象のワークロードをAVS上に移行する

  4. 移行後のシステムを監視・運用し、継続的な最適化を図る


これらの手順を着実に実行することで、AVSを用いたクラウド移行をスムーズに進められますが、移行のプロセスは企業や組織によって異なる場合があります。
そのため、自社の状況に合わせて手順を調整し、関連部署との連携を密にとることが重要です。

また、クラウド移行は一時的なプロジェクトではなく、継続的な取り組みであることを認識しておく必要があります。
移行後も、システムのパフォーマンスや運用コストを定期的にモニタリングし、改善の余地がないか検討しましょう。


まとめ

本記事ではVMwareの環境をAzureに統合するMicrosoftのサービスである、**Azure VMware Solution(AVS)**ついて紹介しました。

本記事で紹介したAVSの機能と利点を活かして、企業はクラウド移行をよりスムーズかつ効率的に進めることができます。
Azure VMware Solutionによって、企業はクラウドコンピューティングの全ポテンシャルを活用し、デジタルトランスフォーメーションを加速することが出来るでしょう。

他のAzureサービスについては、AI総合研究所の関連記事をご覧ください。

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監修者

坂本 将磨

Microsoft AIパートナー、LinkX Japan代表。東京工業大学大学院で技術経営修士取得、研究領域:自然言語処理、金融工学。NHK放送技術研究所でAI、ブロックチェーン研究に従事。学会発表、国際ジャーナル投稿、経営情報学会全国研究発表大会にて優秀賞受賞。シンガポールでのIT、Web3事業の創業と経営を経て、LinkX Japan株式会社を創業。

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