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Microsoft Sentinelとは?2026年最新機能や料金、Defender統合とMFA義務化を解説

この記事のポイント

  • Microsoft Sentinelは、クラウドネイティブのSIEMおよびSOARを統合したSOCプラットフォーム
  • 2026年7月にAzureポータルからMicrosoft Defenderポータルへ完全移行される
  • AIアシスタント「Copilot for Security」により、インシデント調査やKQL作成が劇的に効率化
  • 2026年までに管理操作におけるMFA(多要素認証)が完全義務化され、セキュリティが強化
  • データの取り込み量に応じた柔軟な料金体系に加え、コミットメントティアによるコスト最適化が可能
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

企業のセキュリティ対策は日々高度化するサイバー脅威に対抗し続けなければならず、そのために膨大なデータの監視と分析が不可欠です。
そこで中核となるのが、Microsoftが提供するSIEM(セキュリティ情報イベント管理)とSOAR(セキュリティオーケストレーション自動応答)を統合したクラウドネイティブソリューション、「Microsoft Sentinel」です。

2026年現在、Microsoft Sentinelは単なるログ管理ツールを超え、AIアシスタント「Copilot for Security」との連携や、Microsoft Defenderポータルへの統合により、次世代の統合SOCプラットフォームへと進化を遂げています。
本記事では、Microsoft Sentinelの最新機能や2026年2月時点の価格情報、導入のメリット、そして運用に欠かせないMFA義務化への対応まで、総合的に解説します。

Azureの基本知識や料金体系、利用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
➡️Microsoft Azureとは?できることや各種サービスを徹底解説

Microsoft Sentinelとは?

Azure Sentinel

Microsoft Sentinel は、クラウドネイティブなSIEM(Security Information and Event Management)およびSOAR(Security Orchestration Automated Response)機能を備えた統合セキュリティプラットフォームです。

組織全体の膨大なログデータを収集・分析し、サイバー攻撃の予兆をリアルタイムで検知します。さらに、AIを活用した自動応答(プレイブック)により、インシデント発生時の初動対応を極めて短時間で完遂できるよう設計されています。

2026年現在、Microsoft Sentinelは単独のSIEM製品という枠組みを超え、Microsoft Defender XDRと深く融合した「Unified SOC Platform」の中核として機能しています。

統合SOCプラットフォームとしての役割

現代のセキュリティ運用において、Microsoft Sentinelは「組織の脳」としての役割を果たします。オンプレミス環境だけでなく、AWSやGoogle Cloudなどの他社クラウド、SaaSアプリケーション、IoTデバイスなど、あらゆるソースからの情報を一元的に監視します。

怪しい動きを検知した際には、AIが複数のアラートを1つの「インシデント」としてまとめ、攻撃の全容を可視化します。これにより、セキュリティ担当者は個別の警告に追われることなく、最も優先順位の高い脅威に集中できるようになります。

2026年時点では、後述するCopilot for Securityとの連携により、専門知識が少ない担当者でも高度な脅威ハンティングが可能になっています。

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2026年の主要アップデートと新機能

Microsoft Sentinelは2025年から2026年にかけて、運用のあり方を根本から変える大きな進化を遂げました。ここでは特に重要な3つの変更点を紹介します。

Copilot for Securityとの深い連携

Microsoftの生成AIアシスタント「Copilot for Security」が、Sentinelのインターフェースにネイティブ統合されました。これにより、自然言語(日本語)での操作が可能になっています。

  • 自然言語によるKQL生成
    複雑なクエリ言語を知らなくても、「過去24時間に特定IPからのログイン試行が失敗したログを抽出して」と入力するだけで検索クエリが生成されます。

  • インシデントの自動要約
    複雑に絡み合った攻撃のステップをAIが読み解き、数秒でわかりやすい要約レポートを作成します。

  • スクリプト解析の自動化
    攻撃に使用された悪意のあるPowerShellやコマンドをAIが解析し、その目的や影響範囲を解説します。

これらの機能により、アナリストの対応効率は劇的に向上し、インシデント調査にかかる時間が最大で30%以上削減されるというデータも報告されています。

Microsoft Defenderポータルへの完全統合

2026年7月1日をもって、AzureポータルでのMicrosoft Sentinelサポートが終了し、すべての運用は Microsoft Defenderポータル に集約されます。

これまでSIEM(Sentinel)とXDR(Defender)を行き来していた手間がなくなり、1つの画面で組織全体の保護、検知、対応が完結します。この統合により、データの相関分析がより正確になり、脅威の検知精度がさらに高まっています。

既存のユーザーは、2026年の期限までにワークスペースの移行プロセスを完了させる必要があります。

管理操作におけるMFA(多要素認証)の完全義務化

セキュリティ強化の柱として、MicrosoftポータルやCLI、PowerShellを使用したすべての管理操作において MFAの義務化 が完了しました。

  • 特権アクセスの保護
    Sentinelの設定変更やログの閲覧を行う管理者アカウントは、パスワードだけでなくアプリ認証やパスキーによる二段階以上の認証が必須です。

  • 条件付きアクセスの活用
    信頼できない場所やデバイスからのアクセスを動的に制限し、万が一パスワードが漏洩しても不正アクセスを防ぐ仕組みが標準化されています。

このMFA義務化により、設定ミスやアカウント侵害を狙った攻撃のリスクが極めて低くなり、SIEM自体の信頼性が担保されています。


Microsoft Sentinelの基本機能

Microsoft Sentinelの特徴画像
Microsoft Sentinelのイメージ 引用:Microsoft

Microsoft Sentinelは、セキュリティ運用のライフサイクル(収集・検知・調査・対応)を支える包括的な機能を提供します。

データ収集とコネクタの進化

Microsoft Sentinelは、様々なデータ源からのログを一元管理します。2026年現在では「コードレスコネクタフレームワーク(CCF)」が普及し、これまで以上に多様なSaaSやクラウドサービスとの接続が容易になりました。

Azure Sentinel管理画面
Microsoft Sentinel管理画面 引用:Microsoft

ログの収集には「分析ログ」と「基本ログ(Basic Logs)」の2種類があり、用途に応じて使い分けることでコストを最適化できます。

高度な分析と脅威検出

機械学習アルゴリズムを活用した「UEBA(ユーザーとエンティティの行動分析)」機能がさらに強化されました。

通常のログインパターンから逸脱した「いつもと違う場所からのアクセス」や「大量のデータダウンロード」などを自動的に異常としてマークします。これにより、従来のルールベースでは見逃されがちだった内部不正や未知の脅威を早期に発見できます。

SOARによる自動応答(プレイブック)

インシデント検知後の対応を自動化するSOAR機能は、運用コストの削減に直結します。

例えば「不審なIPからの通信を検知したら、自動的にファイアウォールでブロックし、担当者にTeamsで通知する」といった一連の流れ(プレイブック)を事前に定義できます。2026年時点では、AIが推奨するプレイブックの自動提案機能も搭載されており、自動化のハードルがさらに下がっています。


2026年2月時点の料金体系

Microsoft Sentinelの料金は、取り込むデータの量と保持期間に基づく従量課金制が基本です。単価の一覧はAzure公式の価格ページ(Microsoft Sentinel の価格 | Microsoft Azure)に掲載されています。

料金体系の構成要素

料金は大きく分けて「データ取り込み量」と「保持・アーカイブ」の2つの観点で構成されます。

  • データ取り込み料金
    分析ログとして取り込むデータ量(GB単位)に対して課金されます。

  • コミットメントティア
    1日の取り込み量が100GB以上などの一定量を超える場合、固定料金の「ティア」を選択することで、従量課金よりも最大50%以上の割引を受けられます。

  • 長期保持とアーカイブ
    標準で最初の90日間は無料で保持され、それ以降や数年単位の長期保存(アーカイブ)には別途保管料が発生します。

2026年時点では、低頻度アクセスのログ向けに安価な「データレイク」プランも選択可能になっており、コンプライアンス要件とコスト抑制の両立が容易になっています。

価格例(2026年2月時点:Japan Eastリージョン想定)

以下は、東日本リージョンにおける標準的な価格の見積もり例です。為替レートや改定により変動するため、最新の公式価格表を必ず参照してください。

プラン名 単位あたりの価格(推定) 特徴
分析ログ(従量課金) 約 930円 / GB 高度な分析やアラート生成が可能な標準ログ
基本ログ(Basic Logs) 約 185円 / GB 長期保管と検索に特化した低コストログ
100GBコミットメントティア 約 64,000円 / 日 大規模運用で従量課金より約30%以上お得
ログデータ復元 約 22円 / GB / 日 アーカイブから一時的にデータを戻して検索

※価格は2026年2月時点、リージョン:Japan East、通貨:JPYの参考値。

これらのプランを柔軟に組み合わせることで、重要なアラート用ログは「分析ログ」へ、調査用の大量ログは「基本ログ」や「アーカイブ」へ振り分けるといった戦略的なコスト管理が可能になります。

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Microsoft Sentinelの導入事例

実際の組織がMicrosoft Sentinelを活用して、どのようにセキュリティ運用を劇的に変えたかを紹介します。

東洋エンジニアリング株式会社の事例

海外拠点を多数持つ同社では、増大するサイバー脅威への対策と、属人的な運用の解消が課題でした。そこで、Microsoft 365のセキュリティ製品群と親和性の高いMicrosoft Sentinelを導入しました。

  • 導入の成果
    • 脅威の可視化: なりすましや不審なログインの試行をリアルタイムで捕捉。
    • 運用の効率化: AIによる自動分析により、小規模なチームでもグローバル規模の監視が可能に。
    • セキュリティ体制の強化: パスワード不要の認証やファイル暗号化と組み合わせ、物理的なセキュリティチームを置かずに高度な防御を実現。

セキュリティ構築例
セキュリティ構築例

このように、Microsoft Sentinelはグローバル展開する企業にとって、限られたリソースで最大限の防御を実現するための強力な武器となります。

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まとめ

2026年、Microsoft Sentinelは「SIEMというツール」から、AIとクラウドの力を結集した「自律型セキュリティプラットフォーム」へと完全な進化を遂げました。

Copilot for Securityによる運用の民主化、Defenderポータルへの統合によるワークフローの合理化、そしてMFA義務化による強固な基盤。これらは、巧妙化するサイバー攻撃に対抗するための必須条件となっています。

今後、セキュリティ運用をさらに高度化させたい企業にとって、Microsoft Sentinelの導入と、AIを駆使した自律的な監視体制の構築は、デジタル変革(DX)を安全に推進するための最優先事項と言えるでしょう。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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