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AzureとAWSの料金、サービス、性能を徹底比較【2025年最新】

この記事のポイント

  • Microsoft 365やActive Directoryを利用中の企業はAzureが第一候補で、既存資産との統合コストを大幅に削減できる
  • スタートアップやWebサービス企業でマネージドサービスの多様性を重視するならAWSが最適
  • AI/ML領域ではAzure OpenAI Serviceの独自優位性があり、GPT系モデルをエンタープライズで使うならAzure一択
  • 料金比較はリザーブドインスタンスやスポット料金を含めて試算すべきで、定価だけの比較は避けるべき
  • マルチクラウド戦略も有効だが、運用負荷が増えるため、まず主軸を1つ決めてから段階的に拡張するのが現実的
坂本 将磨

監修者プロフィール

坂本 将磨

XでフォローフォローするMicrosoftMVP

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。


AzureとAWSは、クラウドコンピューティング市場を牽引する二大プラットフォームです。Microsoft 365やActive Directoryとの統合を重視する企業にはAzureが第一候補となり、マネージドサービスの多様性やスタートアップ支援を重視する場合はAWSが有力です。


本記事では、両プラットフォームの機能・料金体系・AI/ML対応・サービス対応表を多角的に比較し、ビジネス規模やIT環境に応じた選定指針を解説します。
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クラウドサービス選定の重要性

AzureとAWSについて
AzureとAWSについて

クラウドコンピューティングは、現代のビジネス環境において不可欠な技術となっています。企業はクラウドサービスを活用することで、俊敏性、拡張性、コスト効率の向上といったメリットを享受できます。
しかし、クラウドプロバイダーの選定は、IT戦略における重要な意思決定の一つであり、慎重に検討する必要があります。

適切なクラウドサービスを選択することで、ビジネスの成長と変革を加速させられる一方、不適切な選択は、「コストの増大や技術的な制約、ベンダーロックインといったリスク」をもたらす可能性があります。

したがって、自社のビジネス要件や IT インフラの現状、将来の展望を総合的に評価し、最適なクラウドプラットフォームを見極めることが肝要です。

クラウドごとのシェア比較
クラウドごとのシェア比較


AI Agent Hub1

AzureとAWSの強みと課題

AzureとAWSはそれぞれ固有の強みを持っており、企業がクラウドプラットフォームを選択する際には、これらの特性を理解し、自社のニーズに照らし合わせることが重要です。

ここでは、両者の主要な長所と課題について詳しく見ていきます。

Azureの強みと課題

Azure
Azure

Azureの最大の強みは、エンタープライズ市場でのMicrosoftの確固たる地位と、同社の幅広いソフトウェアエコシステムとの緊密な統合にあります。

既にMicrosoft製品を広く利用している企業にとって、Azureへの移行はスムーズで自然な選択肢となります。
また、Azureはオンプレミスとクラウドの連携を重視したハイブリッドクラウド戦略を推進しており、段階的なクラウド移行を支援する豊富なツールとサービスを提供しています。

Microsoftが挙げている、AzureとAWSの違い」では、コスト削減の面で以下のことが強調されています。

項目 説明
Windows ServerとSQL Serverでの節約 AzureはAWSに比べて、Windows ServerやSQL Serverの実行コストを大幅に削減できます。
利用できるプログラム 既存のWindows Serverのライセンス利用、SQL Serverのコアライセンスをサブスクリプションで節約。
Azure SQL Managed Instanceの利点 AWS RDSに比べて最大93%安く、要件を最大5倍速く満たせます。
パフォーマンスの向上 トランザクションワークロードと分析ワークロードにおいて優れたパフォーマンスを提供します。
SQL Serverワークロードの移行 Azure Virtual Machinesに移行することで、AWS EC2よりも最大57%高速に実行し、最大54%コストを削減。


その一方で、「Azureを活用できる人材の不足」が課題として指摘されることがあります。

AWSと比べると、Azureに精通したエンジニアや開発者の絶対数は少なく、人材確保や教育に注力する必要があります。

AWSの強みと課題

AWS
AWS

AWSは、パブリッククラウド市場での先行者としての地位を活かし、幅広いサービスラインナップと高い信頼性を誇ります。

特に、同社の柔軟なコンピューティングサービス(EC2)は業界標準となっており、ユーザーはワークロードに応じてリソースを動的に調整できます。
また、AWSは活発な開発者コミュニティを有しており、豊富なドキュメントやサンプルコード、ライブラリが提供されています。「日本国内でもAWSを扱えるエンジニアが多いこと」も、同プラットフォームの強みの一つと言えます。

ただし、AWSのサービスは非常に多岐にわたるため、初心者にとっては習得が難しく、複雑さが課題となることがあります。

加えて、AWSの従量課金制の料金体系は、「使用状況によっては予想外の高額な請求につながる可能性」があり、適切なコスト管理が求められます。


AzureとAWSの比較一覧

エンタープライズと中小企業(SMB)がAzureとAWSを比較検討する際には、それぞれの組織に特有のニーズと優先事項を考慮することが重要です。

ここでは、両者の主要な選択基準を表形式で整理し、ビジネス規模に応じた最適なクラウドプラットフォームの選定をサポートします。

エンタープライズ向け

比較要素 Microsoft Azure Amazon Web Services (AWS) 説明
Microsoft製品との統合 × エンタープライズはしばしばMicrosoft OfficeやActive Directoryなどの Microsoft製品を広範囲に使用しており、Azureはこれらの製品との統合に優れています。
セキュリティとコンプライアンス 両プラットフォームは強力なセキュリティと広範なコンプライアンス認証を提供し、企業の厳しいセキュリティ要件を満たせます。
ハイブリッドクラウド対応 エンタープライズレベルでのハイブリッドクラウド戦略の実行には、Azureが適しています。オンプレミスとクラウド間のシームレスな統合をサポートしています。
コスト効率と料金体系 (ボリュームライセンス契約による割引あり) (使用量に基づく柔軟な料金体系) 両プラットフォームともに大規模なエンタープライズに対して割引やカスタマイズできる料金プランを提供していますが、具体的なコストは使用するサービスと契約条件によります。

中小企業(SMB)向け

中小企業(SMB)の場合、選択するクラウドサービスプロバイダーに関しては、コスト効率、使いやすさ、スケーラビリティ、そして特定のビジネスニーズに対するサービスの適合性が重要なポイントになります。

以下に、AzureとAWSを中小企業の観点から比較した表を示します。

比較要素 Microsoft Azure Amazon Web Services (AWS) 説明
Microsoft製品との統合 × AzureはMicrosoft 365やActive Directoryなどの Microsoft製品との統合に優れています。SMBがこれらの製品を既に利用している場合、管理と運用が容易になります。
セキュリティとコンプライアンス 両プラットフォームともに業界をリードするセキュリティ機能を提供し、多くの国際的なコンプライアンス基準に準拠しています。SMBにとってもセキュリティは重要な要素であり、
使いやすさ AWSは使いやすさで知られ、豊富なドキュメントとユーザーコミュニティを通じてサポートを提供しています。初めてクラウドサービスを利用するSMBにとって、この点は大きな利点になります。
コスト効率 △(スモールビジネス向けの料金プランあり) ◯(使用量に基づく料金体系で小規模利用に適応しやすい) AWSは使用量に基づく料金体系を採用しており、小規模な使用からでもコストを抑えやすいという利点があります。Azureもコスト面で競争力がありますが、具体的なニーズに応じて異なります。
スケーラビリティ SMBが成長するにつれて、両プラットフォームともにビジネスのスケーリングに柔軟に対応できるサービスを提供しています。どちらもビジネスの成長に合わせてリソースを調整できます。
スタートアップへの支援 (無料枠が大きい) (スタートアップリソースが多い) AWSはスタートアップ向けのプログラムとリソースが充実しており、ビジネスの立ち上げと成長を積極的にサポートしています。Azureもサポートはありますが、無料枠が大きい特徴があります。

利用できるAIモデルにおける比較

AzureとAWSの自然言語処理に関するサービスを、使用される大規模言語モデル(LLM)の観点から比較しました。

この比較は、それぞれのプラットフォームが提供する言語モデルの特徴と、それが機能やカスタマイズ性に与える影響を示しています。

特徴 Microsoft Azure Amazon Web Services (AWS) 備考
使用されるLLM Microsoft独自のモデル、GPTシリーズ(OpenAIとのパートナーシップ) Amazon独自のモデル、claude他 AzureはOpenAIとの関係を通じてGPTを含むサービスを提供する。
自然言語理解 両プラットフォームとも強力な自然言語理解能力を提供。
テキスト解析の精度 使用されるLLMによって、解析の精度や応答の自然さが左右される。
応答の自然さ 高(GPT-4o、GPT-5.4等) 高(Claude Opus、Sonnet等) GPT-5.4やClaude Opusなどの最新LLMを利用することで、より自然なテキスト応答ができるようになる。
カスタマイズ性 LLMへのアクセス方法や、特定のビジネスニーズに合わせたカスタマイズのしやすさに違いはあるが、基本的には両者とも高い。
言語やドメインへの適用性 広範 広範 特定の言語やドメインに対する適用性は使用されるモデルのトレーニングデータに依存する。
開発者エコシステム 強力 強力 ドキュメント、チュートリアル、フォーラムなど、豊富な開発者リソースを提供。

クラウドの料金形態

AzureとAWSの料金体系を理解することは、コスト最適化の観点から非常に重要です。
両プラットフォームとも、従量課金制、定額制、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、フリーティアなど、様々な料金オプションを提供しています。

  • 従量課金制
    使用した分だけ料金が発生する仕組みで、リソースの利用状況に応じて柔軟に支払いを行えます。

  • 定額制
    一定の料金を支払うことで、決められた範囲内でサービスを利用できるプランです。

  • リザーブドインスタンス
    一定期間の利用を予約することで割引が適用される方式で、長期的な利用を計画している場合に適しています。

  • スポットインスタンス
    未使用のリソースを割安な料金で利用できる仕組みですが、需要に応じて中断される可能性があります。

  • フリーティア
    一定の使用量まで無料で利用できるオプションで、サービスの評価や小規模な利用に適しています。


クラウドの料金体系を理解し、自社のニーズに合わせて最適な組み合わせを選択することが、コスト効率の高い運用につながります。料金形態の詳細な比較はクラウドエースの解説も参考になります。

AzureとAWSの料金比較

AzureとAWSの料金を比較する際には、利用するサービスや運用方法によって、最適なクラウドプロバイダーが異なる場合があります。

両者の料金体系には共通点も多いですが、一部のサービスでは差異が見られることから、具体的なユースケースに基づいた比較が重要です。

以下の表は、AzureとAWSの料金体系の主要な特徴を比較したものです。

項目 AWS Azure
料金体系 従量課金制。1年または3年の前払い制度がある。 従量課金制。12カ月前払いの制度がある。
前払い・割引 一部または全額の前払いによる割引を受けられる。 Openライセンスや Enterprise Agreement を通じた割引を受けられる。
支払い通貨 主に米ドル。パートナー経由では日本円での支払いもできる。 日本円を含む24の通貨から選択できる。
リセラー経由の料金体系 パートナー経由の支払いができる。SIを含めた支払窓口の一元化。 Openライセンスや Enterprise Agreement を通じて利用できる。
為替レートの影響 米ドルベースのため、為替レートの変動が影響する可能性がある。 24の通貨から選択できるため、為替レートの変動による影響を軽減できる。


料金の比較に際しては、各クラウドの料金計算ツールを活用することをお勧めします。
これらのツールを使うことで、具体的なサービス構成に基づいた見積もりを作成し、コストの違いを確認できます。

【料金計算ツールはこちら】
➡️Azureの料金計算ツールの利用方法!基本機能や円表示の手順を解説

【Azure製品の料金体系はこちら】
➡️Azureの料金体系を解説!サービスごとの料金例や確認方法も紹介


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クラウド料金の見積もり算出時のポイント

クラウドサービスの料金見積もりを作成する際には、いくつかの重要なポイントに留意する必要があります。

1. 料金計算ツールを利用する

  • 使用ツール 公式で提供されている「料金計算ツール」を使用すること。
  • 利点 正確な金額を算出でき、該当するサービスを選択できる。
  • サービス例 コンピューティング、ネットワーク、ストレージなど。

2. ピーク時の見積もりは避ける

  • 考慮点 ピーク時のみに基づいた見積もりは、月々の利用料が実際より高く計算される場合がある。
  • 対策 自動スケール機能を利用し、コストの最適化を図る。ピーク時にサーバーの台数を自動で増やし、遅延を防ぐ。
  • 注意点 自動スケール機能は全てのサービスに適用できるわけではないため、事前の確認が必要。

3. 課金体系を理解する

  • 課金体系 使用した分だけ費用が発生する従量課金制。
  • 課金体系例
    • 仮想マシン: サイズ×利用時間。
    • ストレージ: 保存しているデータ量。
    • ネットワーク: ダウンロードデータ量。
    • データベース: サイズ×利用時間。
  • 注意点 仮想マシンを停止していても、ストレージ費用が発生することがある。

4. 見積もり算出前の整理事項

  • サーバー確定 移行を検討しているサーバーの台数、スペック、容量、利用用途を明確にする。
  • 予算確認 初期費用とランニングコストの予算を確認。
  • BCP対策 アベイラビリティゾーンとリージョンから、予算に応じて選択する。


これらのポイントを踏まえることで、より正確でビジネスニーズに合った料金見積もりを作成できます。ただし、クラウドサービスの料金最適化は継続的な取り組みが必要であり、社内リソースだけでは対応が難しいケースもあります。

クラウドコストの最適化については、Azure導入・運用支援の詳細も参考にしてください。


AzureとAWSのサービス対応表

AzureとAWSは、それぞれ幅広いサービスを提供しており、多くの機能において互換性があります。以下の表は、主要なサービスカテゴリごとに、AzureとAWSの対応関係をまとめたものです。

機能・サービスカテゴリ Microsoft Azure Amazon Web Services (AWS)
コンピューティング Virtual Machines , Azure Functions EC2, AWS Lambda
ストレージ Blob Storage, Disk Storage S3, Elastic Block Store (EBS)
データベース Azure SQL Database, Cosmos DB Amazon RDS, Amazon DynamoDB
ネットワーキング Virtual Network, Azure DNS Amazon VPC, Amazon Route 53
開発者ツール Visual Studio, Azure DevOps AWS CodeBuild, AWS CodeDeploy
AI と機械学習 Azure Machine Learning, Cognitive Services SageMaker, Rekognition
セキュリティ Azure Active Directory, Security Center IAM, Amazon Inspector
分析 Azure HDInsight, Power BI Amazon EMR, Amazon QuickSight
IoT Azure IoT Hub, Azure IoT Edge AWS IoT Core, AWS IoT Greengrass
移行サービス Azure Migrate AWS Migration Hub
コンテナサービス Azure Kubernetes Service (AKS) Amazon ECS, Amazon EKS
統合 & イベント Logic Apps, Event Grid AWS Step Functions, Amazon SNS


AzureとAWSを使い分けることによって、特定の利用シナリオでは最適なインフラストラクチャが実現されます。
たとえば、ある企業が「既存のMicrosoft技術スタックに完全に統合されたクラウド環境」を構築したい場合にはAzureが向いていますが、「最も広範囲のサービスと最新の技術を追求する」ならばAWSが適している可能性もあります。

大切なのは、各企業が自社の要件を明確にし、どのようにマッチするかを比較、選定することです。各プラットフォームの特徴を更に詳しく知りたい場合は、SB C&Sの比較記事も参考になります。

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まとめ

本記事では、AzureとAWSの機能・料金体系・サービス対応・AI/ML対応を多角的に比較しました。

この記事を通じて得られる3つの価値は以下のとおりです。

  1. 既存IT環境に基づくプラットフォーム選定基準の明確化
    Microsoft 365やActive Directoryを利用中ならAzure、Linux環境やマネージドサービスの多様性を求めるならAWSという判断軸が明確になります。

  2. エンタープライズ・中小企業それぞれの比較観点の整理
    セキュリティ、コスト効率、スケーラビリティなど、組織規模ごとに重視すべき要素を把握した上で選定を進められます。

  3. 料金体系の構造理解による見積もり精度の向上
    従量課金、リザーブドインスタンス、スポットインスタンスなど料金オプションの違いを理解し、過大・過少な見積もりを防げます。

クラウド選定に着手する際は、まず自社のワークロード要件(OS環境・既存ライセンス・データ量)を棚卸しし、両プラットフォームの料金計算ツールで同一構成の見積もりを比較してください。各プラットフォームの最新動向はパーソルクロステクノロジーの比較記事も参考になります。

監修者
坂本 将磨

坂本 将磨

Microsoft MVP・AIパートナー。LinkX Japan株式会社 代表取締役。東京工業大学大学院にて自然言語処理・金融工学を研究。NHK放送技術研究所でAI・ブロックチェーンの研究開発に従事し、国際学会・ジャーナルでの発表多数。経営情報学会 優秀賞受賞。シンガポールでWeb3企業を創業後、現在は企業向けAI導入・DX推進を支援。

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